参院選が終わりましたね。

選挙の前には、消費税の税率引き上げが再延期されました。

世論は再延期に賛成する声の方が多かったこともあり、なんとなく、ま、よかったんじゃない、という雰囲気になってる気がしますが、以前の3党合意や再延期がないという断言が反故にされてしまったこと自体に対しては、ほ、ほんとうにこれでいいんですか??という気がしないでもありません。


消費税率の引き上げは、悩ましい問題です。

そもそも課税には公平であることが必要とされますが、日本のように猛烈な少子高齢化が進みつつある国では、とりわけ「世代間の公平」が問題とされます。

「世代間の公平」とは、端的にいえば、今の公的年金制度のもとでは、若い世代ほど受ける利益に比べて負担が大きくなる、ということですね。

1人の高齢者を何人の現役世代が支えているかについては、こんなたとえがあります。

  • 1965年 「胴上げ型」・・・65歳以上1人に対して、20~64歳は9.1人
  • 2012年 「騎馬戦型」・・・65歳以上1人に対して、20~64歳は2.4人
  • 2050年 「肩車型」・・・65歳以上1人に対して、20~64歳は1.2人

つまり、やがては1人の現役世代がもれなく1人の高齢者を支える時が来る(!!)、ということ。

私は2050年にちょうど70歳になるはずですが、増え続ける国の借金のこともあわせて考えると、自分のことはともかく、今の子どもたちは本当に大変なときに生まれているのだな、としみじみした気持ちになったりもします。


さて、「世代間の公平」が厄介なのは、それがなかなか実感しにくいからだと思います。

高齢層にとって、数十年先の将来のことは自分には関係がない、と感じられるのはある意味において当然のことでしょうし、若年層の多くは、将来のことに関係はあっても関心がないでしょう。

しかし、本来「公平」は、公的年金だけでなく、教育・雇用・医療など、さまざまな視点から達成されるべきものでしょうから、制度の最適解を求めるためには、やはりなるべく多くの国民が議論に参加する必要があるのだと思います。


ともあれ、税のあり方は自分たちで決めるもの。

少なくとも、2016年は消費税率引き上げの再延期を選択した、という事実は今後も覚えておきたいと思うし、再延期を決めた以上、政府には絶対に2年半を無駄にしてもらいたくないな。


って今回のブログは、なんだか脅迫めいてますね。

名刺を作ったのを機に、むかし何回か観た映画をひさしぶりにまた観ました。

名刺といえば思い浮かぶのが、『アメリカン・サイコ』(メアリー・ハロン/2000年)。

作中で、ウォール街のビジネスマンたちによる名刺合戦が繰り広げられます。


主演は、肉体改造ならいつでもござれのクリスチャン・ベール。

(※かっこよく見えるけど、トイレで放尿中のシーン)


めずらしく、垢抜けない感じのクロエ・セヴィニー。でもかわいい。

この映画には露骨な暴力・性描写があるため、嫌悪感を感じる方もおられるでしょうが、80年代のいい音楽がたくさん流れているし、基本的には名刺合戦に象徴される滑稽な味を楽しめばいいと思います。


取り上げるのがこの映画だけでは危ない奴と思われてしまうので、最近観たほかの映画も2本ご紹介しておきます。

まず、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(原題:The Salt of the Earth/ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド/2014年)。

S・サルガドの経歴はこれまであまり詳しく知らなかったけれど、映画によると、エコノミストとして国際機関に勤務した後、写真家として発展途上国を中心に労働環境・貧困・飢餓・戦争・難民などの問題を捉えた作品を制作。現在、環境活動家としても活躍中。

映画は、S・サルガド本人や家族らのインタビューを交えながら、彼の作品を紹介してその足跡をたどるというシンプルな構成をとっており、1枚1枚、彼の写真の圧倒的な力が迫ってきます。


語るS・サルガド。


最後は、先日俳優アントン・イェルチンが亡くなったというニュースに接した後で観た、『今日、キミに会えたら』(原題:Like Crazy/ドレイク・ドレマス/2011年)。

やさしい顔のアントン・イェルチン。

現在は俳優として『スター・トレック』のような大作にも出演し活躍中でしたが、聞けばフィギュアスケートの選手だった両親に連れられて、生後6か月で旧ソ連からアメリカに政治難民として移住したという過去があるらしい。

そんな彼が、自宅前で後退してきた自分の車とレンガでできた門柱との間に挟まれ、27歳で事故死。

車はシフトに欠陥を抱えており、リコールが始まったばかりだったという......。

彼の一生そのものが映画のような、激動の人生でしたね。

ご冥福をお祈りします。


映画は、アメリカとイギリス間の遠距離恋愛を題材に、人間関係における距離とかボーダーの問題をみずみずしく描いています。

セリフはすべて即興(台本なし)、カメラはキヤノンのEOS 7Dで撮ったらしい。


主演女優のフェリシティ・ジョーンズ。かわいいですね。

6月22日、北村税理士事務所が開業いたしました。

これもひとえにお客さまのおかげであり、心より御礼申し上げます。


さて、このたび開設したウェブサイトとブログのアドレスに「cpta」というアルファベットの組み合わせが入っていますが、見慣れないので、何だろう?と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。

「CPTA」とは、Certified Public Tax Accountant の略で、税理士会では「税理士」の英訳にこの語を当てています。

略称といえば、ふだんは企業とか団体の名前で目にする機会も多いです。

  • ANA = All Nippon Airways(全日本空輸)
  • NHK(日本放送協会)
  • YKK(吉田工業株式会社)

などは比較的有名ですが、身近なところでは、事務所で利用している会計ソフトの会社が

  • TKC(栃木県計算センター)

とのことで、こ、これはシブい・・・。

世界の有名企業に広げると、

  • IBM = International  Business Machines(国際事務機)
  • BMW = Bayerische Motoren Werke(バイエルン発動機製造)
  • DHL = Dalsey, Hillblom, Lynn(創業者の頭文字)

のような正統派?から、

のように、ちょっとそのノリについていけないものまで、略称から企業の沿革が垣間見えたりもして、なかなか奥が深いものです。

自分でも何かこう、仕事で使える気の利いた略語を生み出せないものかと考えてみましたが、そういえば、この方面ではすでにご活躍中の方がいましたね。