名刺/サルガド/距離

名刺を作ったのを機に、むかし何回か観た映画をひさしぶりにまた観ました。

名刺といえば思い浮かぶのが、『アメリカン・サイコ』(メアリー・ハロン/2000年)。

作中で、ウォール街のビジネスマンたちによる名刺合戦が繰り広げられます。


主演は、肉体改造ならいつでもござれのクリスチャン・ベール。

(※かっこよく見えるけど、トイレで放尿中のシーン)


めずらしく、垢抜けない感じのクロエ・セヴィニー。でもかわいい。

この映画には露骨な暴力・性描写があるため、嫌悪感を感じる方もおられるでしょうが、80年代のいい音楽がたくさん流れているし、基本的には名刺合戦に象徴される滑稽な味を楽しめばいいと思います。


取り上げるのがこの映画だけでは危ない奴と思われてしまうので、最近観たほかの映画も2本ご紹介しておきます。

まず、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(原題:The Salt of the Earth/ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド/2014年)。

S・サルガドの経歴はこれまであまり詳しく知らなかったけれど、映画によると、エコノミストとして国際機関に勤務した後、写真家として発展途上国を中心に労働環境・貧困・飢餓・戦争・難民などの問題を捉えた作品を制作。現在、環境活動家としても活躍中。

映画は、S・サルガド本人や家族らのインタビューを交えながら、彼の作品を紹介してその足跡をたどるというシンプルな構成をとっており、1枚1枚、彼の写真の圧倒的な力が迫ってきます。


語るS・サルガド。


最後は、先日俳優アントン・イェルチンが亡くなったというニュースに接した後で観た、『今日、キミに会えたら』(原題:Like Crazy/ドレイク・ドレマス/2011年)。

やさしい顔のアントン・イェルチン。

現在は俳優として『スター・トレック』のような大作にも出演し活躍中でしたが、聞けばフィギュアスケートの選手だった両親に連れられて、生後6か月で旧ソ連からアメリカに政治難民として移住したという過去があるらしい。

そんな彼が、自宅前で後退してきた自分の車とレンガでできた門柱との間に挟まれ、27歳で事故死。

車はシフトに欠陥を抱えており、リコールが始まったばかりだったという......。

彼の一生そのものが映画のような、激動の人生でしたね。

ご冥福をお祈りします。


映画は、アメリカとイギリス間の遠距離恋愛を題材に、人間関係における距離とかボーダーの問題をみずみずしく描いています。

セリフはすべて即興(台本なし)、カメラはキヤノンのEOS 7Dで撮ったらしい。


主演女優のフェリシティ・ジョーンズ。かわいいですね。